ECサイトの模倣品

2025年4月25日、東京地方裁判所は、ネット通販大手アマゾンが偽造品対策を怠り、正規品を含む商品の販売ページを削除したことによって原告が損害を被った件について判決を下しました。同裁判所は、アマゾンジャパンに対し重い過失があったとして、3500万円の賠償を命じました。

現在、ECサイトには一目で偽造品と分かる商品から、巧妙に作られた模倣品まで、さまざまな偽物が出品されています。これらは正規品を販売する業者にとって深刻な脅威となっています。

多くのECサイトでは、知的財産権を侵害する模倣品が見つかった場合、関連するサイトや商品ページを削除する措置を取っています。しかし、出品件数の多さもあり、こうした対応が的確であるかどうかには疑問が残ります。

今回の判決を受け、ECサイトの運営者には、偽造品問題への責任や出品者の権利保護を強化するため、商品の真偽を確認する仕組みや対応方法の見直しが求められるでしょう。
このような取り組みを通じて、適正な商取引環境が実現することを期待したいところです。


https://www.jiji.com/jc/article?k=2025042500149&g=soc

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250425/k10014789571000.html

フリーランスの方のための新しい法律について

フリーランスの方が安心して働ける環境の整備を図ることを目的とした新しい法律(フリーランス新法)が、2024年11月1日からスタートしています。

「書面による取引条件の明示」、「報酬支払期日の設定・期日内の支払い」などの義務が規定されています。

フリーランスの方向けの分かりやすいサイトが公正取引委員会から公開されていますので、企業様との取引のあるフリーランスの方はぜひチェックしてみてください。
https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/

※2/14のタイミングに合わせて「バレンタインに絡めて伝えるフリーランス法」のショート動画が公開されたようです。

クリエイター、スタートアップと知財

先日、クリエイターやスタートアップの方とお話しする機会がありました。作品やビジネスへのこだわりや情熱がひしひしと伝わってきて、とても刺激的な経験となりました。一方で、知財への関心や理解がまだまだ低いことにも気付かされました。

「このブランド、ロゴでビジネスを立ち上げる予定で準備を進めています!」
 ↓
「素晴らしいブランド名を考え、素敵なロゴを完成させたら、調査して商標登録出願をしましょう。」

ビジネスをスタートしていよいよ軌道に乗ってきたときに、見知らぬ人から「自分の登録商標を侵害しているからそのブランド名を使うのをやめろ」なんて言われたら大変なことになります。大事なブランド名だからこそ、最初にしっかりと権利として押さえておくことを強く推奨します。

「この商品はこのデザインにすごくこだわっていて、ここが他の製品にはない特徴なんです!」
 ↓
「他にはない特徴を持ったデザインは、しっかりと意匠登録出願しておきましょう。」

ヒット商品であればあるほど、ニセモノや類似品がすぐに出てきます。ニセモノや類似品が出るということは人気のバロメーターと言えるかもしれません。しかし、安くて品質の悪いニセモノや類似品が出回ることで、せっかくヒットした商品の評判が落ちてしまったら大変です。売上も横取りされてしまうかもしれません。特徴のあるデザインはしっかりと権利化して、商品を守れるようにしましょう。
※不正競争防止法によって新商品が守られるケースもありますが、意匠登録することは重要です。

「この商品はこの技術に特徴があって、こんなすごい機能が発揮されるんです!」
 ↓
「特許発明と言える技術があるなら、特許出願の検討をしましょう。」

知財の中でも「特許」という言葉の認知度は高いのではないかと思います。特許出願は、商標登録出願や意匠登録出願に比べて高額になるため、ビジネスがスタートしたばかりの方にとっては負担となり、出願を見送る方も多いかもしれません。補助金などの制度もありますので、将来のビジネス展開や技術の価値を総合的に検討していただくことをお勧めします。

クリエイターやスタートアップのみなさん、何か気になることがあれば遠慮なくご相談ください。

新しい年のはじまりに寄せて

新年明けましておめでとうございます。

2024年は多くの方と出会い、新しい取り組みや挑戦の機会をいただくことができた年でした。

2025年も皆さまのお役に立てるよう、しっかりと仕事をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

アスピラーレ知財戦略事務所
代表•弁理士  佐藤厚志

特許庁広報誌「とっきょ」の紹介

特許庁が発行している広報誌「とっきょ」についてご紹介いたします。
さまざまな知財に関する事例などを分かりやすく紹介していますので、ご自身の知財活動にも参考になるのではないかと思います。
お時間のあるときにでも覗いてみてください。
https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/index.html

業務開始から1年を経過いたしました

11月1日より、フリーランス新法がスタートしました。
フリーランスでお仕事をされている方はもちろんのこと、お仕事を依頼される中小企業、大企業のみなさまにも関係する法律ですので、ご留意いただければと思います。

この法律は知的財産とは直接関連するものではないのでこの場で詳しい説明は致しませんが、公正取引委員会などのサイトをご参照いただければと思います。
https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/

さて、当事務所は昨年の9月に開所し、10月より業務を開始しておりましたが、このたびクライアントや関係者のみなさまのおかげで1年を経過することができました。
ありがとうございました。

引き続き、知的財産でみなさまのお役に立つことを念頭に精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

弁理士のしごと

「べんりし」という名前に馴染みのない方は、便利屋さんと混同してしまうこともあると聞きます。
言われてみると知的財産に関する便利屋といった側面もあるかもしれませんが、「弁理士」は知的財産に関する専門家であり、国家資格にもなっています。

弁理士は、特許、意匠、商標などの権利化に向けた特許庁への手続きや、それらに関する紛争の解決、知的財産に関連するコンサルティングなど、ビジネスをする上で非常に重要な知的財産に関わる業務を行っています。
弁理士の業務は多岐にわたるため、多くの弁理士は自分の専門性を活かした業務を中心に行っています。例えば、機械系の専門知識を有する弁理士は、機構や構造に関する特許を専門的に取り扱うことが多いです。また、図面の作成スキルも有していれば、意匠までカバーする弁理士もいます。

また、弁理士というと技術系出身者を想像しがちですが、知的財産には商標や著作権など、必ずしも技術が関わるわけではないものもあるため、文系出身の弁理士も多くいます。

近年は特許事務所や法律事務所に所属するのではなく、企業に所属する弁理士も増えています。
企業内の弁理士は特許などの出願に関わるだけでなく、その企業の知的財産戦略を立案・実行する役割も担っており、弁理士の業務範囲や専門分野の拡大が進んでいます

このように弁理士は知財に関する幅広い業務を行なっていますが、近年の複雑化したビジネス環境の中では、特にその専門性が重要視されています。

弁理士を探す際には、ご自身が依頼したい内容に沿った弁理士を探すことが重要です。ビジネスの成否にも関わってくるため、大手だから、著名だからといった理由だけでなく、弁理士のバックグラウンドにある経験や知識、人となりを知った上で依頼することが大切です。

商標登録されました

事務所の開設後に商標登録出願をしておりましたが、この度「アスピラーレ知財戦略事務所(標準文字)」、「ASPIRARE(ロゴ)」について商標登録されました。

当事務所では「新たに起業をされる方」、「既存ビジネスのほかに新規ビジネスを立ち上げる方」、「新商品を投入される方」などに対して、商標登録出願をお勧めしております。

立ち上げた会社、ビジネス、商品の名前やブランドを守るために、最初に手掛けてほしい最も重要な知的財産手続の一つだからです。

せっかくビジネスをスタートし順調に成長していったとしても、第三者である他人に「同じ名前や類似した名前」を「同じ商品や類似した商品」に商標登録されてしまうと、その名前やブランドを使えなくなってしまうこともあり得ます。
日々の努力によって築いてきた信用や品質、ブランド力を急に手放さなくてはならないことになったら大変です。

ぜひ、ビジネス開始や新商品発売の際には、初期段階で商標登録出願することを検討してみてください。

日本弁理士会「弁理士かわら版」

日本弁理士会の広報センターからのお知らせがありました。
当事務所でも力を入れております中小企業やスタートアップのみなさま向けの情報になります。
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中小企業・スタートアップにおける「弁理士の役割」を継続的にPRし、弁理士の名称認知度及び職業認知度の向上を図るため、「愛では、アイデアは守れない。」をキャッチコピーとして、特設サイト「弁理士かわら版」をオープンしました。
https://www.jpaa.or.jp/senryaku2024
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